白髪染めは、デザインカラーと比べてカラー剤の中の色素が多く作られています。
真っ白な白髪がきれいに染まるように、色素量が計算されているので仕上がりが深く感じるカラーが多いのです。
ですが、白髪染めをした後に「ちょっと暗くなりすぎたからやっぱりトーンアップしたい」というお客様も少なからずいらっしゃいます。
実は、白髪のトーンアップはデザインカラーのトーンアップと比べると、この色素量の関係で厄介なのです。
そこで今回は、Kyogoku製品を使って白髪染めをトーンアップする方法をご紹介します。
Contents
白髪染めの仕組みと染め方
髪の色は毛髪内のメラニン色素の量で決まります。
デザインカラーの場合たくさんのメラニン色素をまず分解しながら色味を入れる薬剤で染めていきます。
しかし白髪の場合、使う白髪染めはほとんどメラニン色素がないことを想定して作られているので、メラニン色素を分解することよりも色素をたくさん補う方に力をいれているのです。
当然、真っ白な部分はしっかり染まるでしょう。
明るめの白髪染めを選んだ場合、今度は白髪部分の色浮きが目立つこともあるので、白髪が多く生えている箇所のみ塗り分けするなど、様々な技法があります。
白髪を明るくする方法
白髪を明るくする方法は様々です。
根本から少しずつ明るくする方法
まず、一つ目は「白髪が伸びてきた部分(新生部)のみを次回染めるときに少しだけ明るめのトーンで塗る」方法です。
1ヵ月で約1㎝髪の毛は伸びます。
毎月染めている人であれば、月に1㎝ずつ徐々に明るめに染めていくことで、少しずつ明るい部分を増やせるのです。
ですが、このやり方はかなり時間がかかるので、なかなか現実的ではありません。
白髪染めの色素をブリーチで抜く方法
二つ目の方法は、入れた色素をブリーチ剤や脱色力の強いカラー剤で分解するというものです。
これは少なからず髪へのダメージはあるでしょう。
ですが、成功すれば一気に雰囲気が変わり、希望の明るめのデザインが叶います。
元の髪の状態をみて、そもそもダメージがありすぎるのでブリーチをすることができない場合もあるため、カウンセリングは慎重に行いましょう。
特にセルフカラーで白髪染めをしている場合は、ベースのコンディションが整っていないことが多いので注意が必要です。
ハイライトを入れて明るく見せる方法
白髪染めした髪を明るくしたいけど、ダメージも気になる。そんな人にはハイライトデザインがおすすめです。
ハイライトを入れる部分は先ほどと同じように、ブリーチ剤や脱色力の強いカラー剤を使用します。
ハイライトを入れる部分はダウンスタイルなら目に付きやすいオーバーセクションを中心に入れると◎。
ハイライトとのコントラストが少ないので白髪ぼかしの効果も期待でき、根元が伸びてきても気になりにくいことがメリットです。
こちらの場合も先ほど同様、色の抜け方に差が出る場合があります。
施術しながら色味の抜け方を見て、追いブリーチをするなどして調整しましょう。
KYOGOKU IROME リッチクリスタル
Kyogokuのリッチクリスタルはハイトーンデザインを作るため、独自の研究機関でこだわって開発したブリーチです。
そのため赤味が残りやすい髪質にも使いやすいでしょう。
吸湿性・保水性に優れたソルビットを配合しており、パサつきにくくブリーチ独特の乾燥を防ぎます。
KYOGOKU IROME リッチクリスタルの使い方
リッチクリスタルの使用の目安は
1剤に対して2倍のオキシを使用します。
こちらはあくまでも平均的な量ですので、毛量が多い場合は多めに調整して作りましょう。
そして、ダイヤモンドブリーチにする場合の黄金比はこちらです。
実際の使用感についてはこちらの記事でも紹介しています。
白髪染めをした髪に使う
まずはダメージ具合を確認してから施術を行うかの判断をしましょう。
リッチクリスタルを通常通りオキシ2倍で作るよりも、黄金比のようにダイヤモンドをプラスした「ダイヤモンドブリーチ」のほうが髪を労わりながら明るくできるのでおすすめです。
さらに「ケラチンブースト」を1剤と一緒に混ぜて使えば、髪のダメージをより軽減できます。
放置時間は施術しながら見極める
ブリーチを塗ってどのくらい置いたら明るくなるのか、それは施術してみないと何とも言えないというのが答えです。
見た目ではどの程度の色素が入っているかはわかりません。
ですので、放置時間は実際にブリーチを塗ってみて、色抜け具合で判断するしかないのです。
施術前の髪がブリーチに耐えられそうなのか、ケア剤を使用すればブリーチができそうなのか、など少し美容師としての経験が問われる部分でもあります。
どうしても髪の状態が良くない、だけどどうしても明るくしたい場合はしっかりとカウンセリング時に現状を伝えたり、ケラチンブーストなどを駆使してダメージを最小限に抑えて施術したり、ハイライトデザインを提案したり、とその人に合わせたベストを尽くしましょう。
オレンジに抜けた場合
白髪染め後のブリーチは赤味の色素が抜けづらく、どうしても残ってしまうことも。
どんな仕上がりにしたいかでどこまで明るく抜くかは変わってきますが、暖色を求めていないなら厄介ですよね。
「ただ明るくしたい」「暖色系の色味で明るくしたい」のであれば、このままオンカラーしても大丈夫です。
しかし、寒色系にしたいときはもう一度抜き直すか、補色カラーを使って色味を打ち消すか考える必要があります。
白髪染め髪に1回ブリーチ
こちら、白髪染めをした髪に、1回ダイヤモンドブリーチ施術をしてみました。
※今回ナチュラルな明るさにしたいため、ハイライト以外のベースの髪は黒のままにしています。
白髪染めにブリーチ後、追いブリーチ
反対側は1回ブリーチしたあとに薬剤を軽く取って、さらに追いブリーチしました。
明らかにこちらの方が明るく、オレンジ色も消えています。
ベースの髪の体力があったため追いブリーチを選びました。
ダブルカラー
今回はベージュ系のハイライトにしてナチュラルに仕上げたかったので、
エンペラーバイオレットとスモーキーシルバーを1:1
こちらをオンカラーとして使っています。
IROMIカラーは基本的に1剤に対して2液を2倍で作ります。
今回エンペラーバイオレット:スモーキーシルバー:プレミアムオキシ3%を1:1:4で作っています。
黒髪にやわらかいベージュ系のハイライトが入り、まだらに生えている白髪がわかりにくくなりました♪
ブリーチ+追いブリーチ、そしてオンカラーしたにもかかわらず、艶やかな仕上がりに。
ケア成分をしっかりと補いながらダメージレスで施術できるので、パサつきにくく手触りも◎です。
Kyogoku IROMEカラー
kyogokuのIROMEカラーはブリーチをした髪に特化して作られているカラー剤です。
基本的に1剤に対して、オキシは2倍で使用が可能。
ですので操作性がよく、コストパフォーマンスにも優れています。
オレンジを消すには
オレンジの反対の色はブルーです。
そのためブルーの入ったカラー剤を補色カラーとして使用するとオレンジを打ち消すことができます。
KyogokuIROMEカラーの中では「チタンシルバー」「スモーキーシルバー」「ブルーシルバー」「ネイビーシルバー」がオレンジを消す補色としておすすめです。
ベースの色味がどの程度まで抜けているか、またどれくらい赤味が残っているかによって配合は変わりますが、基本的には10%混ぜていきます。
チタンシルバー
チタンシルバーの色味はアルカリレベル1、発色レベル4。
少し深めの色なので根本側のオレンジを消すのにぴったりです。
スモーキーシルバー
ブルーシルバーはアルカリレベル6、発色レベル8。
グレー系のやわらかい色味なので暗く沈ませたくないけど、オレンジを消したいときにおすすめです。
ネイビーシルバー
ネイビーシルバーはアルカリレベル2、発色レベル4。
青が多く含まれているのでオレンジの補色に!濃いめのカラーなので明るめにする際には入れすぎに注意しましょう。
ブルーシルバー
ブルーシルバーはアルカリレベルが4、発色レベルが6。
赤味やオレンジをコントロールしてグレー系カラーにもっていきます。
白髪染めでも明るくできます
白髪染めをして暗く沈んでしまっても、Kyogoku IROMEリッチクリスタルなら明るいカラーに。
髪の体力をしっかりと見極め、ケア成分を使いながら施術するのがポイントです。
思ったよりもオレンジが出てきた場合は、オンカラーに補色を混ぜて調整しましょう。
Kyogokuカラーを使って、素敵なカラーを実現してくださいね!
- 2022/2月オープン予定「&chaLme」代表
- 美容学校の技術講師
- 2年連続ホットペッパービューティー
人気スタイルランキング全国1位(140万人中)
東京の有名店HAIR DIMENSIONにて技術を学ぶ(有名雑誌のヘアメイクなど担当)。 美容師向けの技術講習会多数こなし、全国的なCM撮影のヘアメイクも担当。 現在は美容学校の技術講師を担当し、2022年2月には自身が代表を務めるヘアサロンをオープン予定。
美容師としての社会的地位を向上させる為に日々研究中。