美容師には健康診断書を提出するように求められる場合がいくつかあります。
・免許を申請する場合
・職に就く場合や、他のサロンなどに移る場合
・新規でサロンやカットハウスを立ち上げる場合
これらの場合、どの時期にどのような診断書が要るのでしょうか。
また、どのくらいお金がかかるのかも気になります。
今回は、健康診断書の提出が必要になる3つのケースについてご紹介します。
徹底解説!美容師が健康診断書を提出する3つのケースとタイミング
美容師が健康診断書を提出しなくてはいけない例について、代表的な3つのケースについて解説します。書類のフォーマットや提出の時期、同時に出さなければいけない書類に関しても紹介しますので、ご参照ください。
美容師の免許を申請する場合
まずは、美容師の免許を申請する手続きを行うケースがあります。
令和2年に行われた美容師の国家試験に合格した人向けの資料によれば、美容師の免許を申請するためには下記3つの書類を送らなければなりません。
① 収入印紙(¥9,000‐)と受領証(¥5,200‐)をつけた免許申請書
② 住民票か戸籍の抄本
③ 医師による診断書(精神機能に係わる障害について)
①の申請書に関しては必要な事項を自分で書き、②の書類は役所で受け取ることができますが、③の医師による診断書については医療機関にて作ってもらわなければいけません。
令和2年に実施された美容師の国家試験に合格した方向けの資料を元に、より詳しく説明します。
出典:http://www.sb.rbc.or.jp/pdf/bi-shinki-02_v1.pdf
■書類の入手方法・フォーマットはダウンロード可能?
医師による診断書(精神機能に係わる障害について)は、免許の申請書と一緒に合格通知書に入っています。フォーマットのダウンロード可否については資料内に記載はないため不明となります。
※医療機関で用意している診断書を使っても問題はないという旨の記載があるので、診断書のフォーマットに関してはあまり気にしなくて良いでしょう。
■健康診断書の内容は?
先述した①の申請書、②の住民票などの書類と一緒に送らなければいけないのは、③の医師による診断書です。
この診断書に関しては決まったフォーマットがありませんが、誤った内容の書類を用意しないように気を付けてください。医療機関で用意してある診断書を使う際には「精神機能についての障害」に関する診断であることが必須です。
■受診はどの科ですればいい?
医師による診断書(精神機能に係わる障害について)は、医療機関で作ってもらわなければいけませんが、特に「〇〇科を受診する」という決まりは特に無いようです。
診断書を作ってもらう場合には、近隣の医療機関に相談してはいかがでしょうか。
■提出前に要確認!診断書作成時のチェックリスト
精神機能に関する障害についての医師による診断書を出す前に、下記に紹介するようなリストをチェックしましょう。
・名前は正しいか
・申請日より三か月以内の診断か
・受診した医療機関の名称は書いたか
・診察した医師の記名・捺印はあるか
・チェック欄に関して、有無のどちらか(有へのチェックがある際は、どんな病気であるかに関する詳しい説明、理美容師としてきちんと働くことの可否が書いてあるかどうか)
受診した日が違うなど、訂正が要る際には医師に訂正印をもらう必要があります。
修正テープなどを使用しても同じなので気を付けましょう。また、複製では無効なので、原本で送るようにしましょう。
カットハウスやヘアサロンを立ち上げる場合
続いて、健康診断書の提出が必要になるのは、カットハウスやヘアサロンなどの理容・美容に関する施設(理・美容所)を立ち上げる場合です。
美容師の場合、美容所ではない場所で髪を切ったり、染毛したり、パーマをかけたりという仕事を行うのは不可です。
もしも美容所を新規で立ち上げる場合には、
・開設届
・当該施設の図面
・健康診断書
などの書類を提出しなければならず、定められた基準(衛生・構造)をクリアしている証明が必須です。
当記事では、東京都の「北区」「西多摩保健所」からのデータを参考に説明します。
それぞれの自治体により、細部の注意点が違ってくると思われるので、届け出の手続きをする場合には、お住いの自治体のHPなどで確認したほうが良いでしょう。
出典:
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/nisitama/soudan/biyou.html
http://www.city.kita.tokyo.jp/seikatsueisei/kenko/ese/jigyonushi/biyojo/biyou.html
どのタイミングで開設届が要る?新しく開設する場合と開設者を変更する場合
先述の通り、ヘアサロンなどを新規に立ち上げる場合には開設届を出す必要があります。下記のケースで必要なので確認しましょう。
・新しく開設する
・名義を変更する
・ヘアサロンなどの移転
・構造設備を大幅に変える
・建物を建て替える
開設者に関して、個人から法人、逆に法人から個人というように変えた場合にも名義の変更となります。
注意点として、承継の場合では「承継届」が要ることになります。(開設届ではありません)注意しましょう。
■健康診断書にはフォーマットがある?ダウンロードは可能?
開設届を出す場合には、サロンの図面、美容師の免許と一緒に全従業員(美容師)の健康診断書が必要です。
診断書には決まったフォーマットはないので、医療機関に用意してあるものを使っても問題はありません。
北区と西多摩区に関しては、見本として診断書が準備されており、PDFのDLが可能です。
医療機関で決まったフォーマットが無いときには上記を持って行っても構わないでしょう。
ただし、自治体によって細部が違う場合があるので事前の確認が必要です。
■必要な診断書はどのような内容?
先述の通り、診断書には定型フォーマットなどはなく、それぞれの医療機関に用意してあるものを使って問題ありません。
注意点として、下記のポイントは外さないようにしてください。
・伝染性の皮膚の疾患と結核に関する有無はきちんと書かれているか
・医師による発行であると書かれているか
・申請日より3か月以内であるか
■営業開始予定日までにゆとりある届け出を!
定められた書類を提出してから店舗のオープンまでの期間に、保健所職員の施設検査が行われます。書類を出してすぐにオープンできるというわけではないので、ゆとりをもって届け出をしましょう。
もし、建物に問題があった際(構造・衛生)には、是正まで時間を要することになります。
すんなりオープンさせるためには、図面を手にした時点から保健所に相談するのがおすすめです。
従業員が変わった場合
健康診断書を提出する最後の例は、勤務している美容師が変わった場合です。
ここでは、これまでと同様に北区と西多摩保健所のデータを元に紹介します。
細かい部分は自治体それぞれで違う部分があると思うので、お住いの自治体に確認してください。
■美容師と管理美容師が変わった際に提出
店舗に勤務している従業員が変わった場合には、美容師の有資格・無資格問わずに従業員の変更届を出す必要があります。
さらに、美容師の有資格者が変わる場合には、医師の診断書を出さなければなりません。
■その他必要な書類について
勤務している従業員が変わった場合には、上記で紹介した診断書や変更届以外にも必要な書類があります。
・理美容師の免許証
・管理理美容師であれば修了証明書
ただし、こちらは一例なので、細かい部分についてはお住いの自治体に確認したほうが良いでしょう。
美容師の健康診断書に必要な費用はどれくらい?
美容師の健康診断書に必要な費用は、受診する医療機関によって変動し、おおよそ1,500円~6,000円程度です。
定期健診もしくは就職時の検診の際にオプションで必要な診断を受けることができる場合もあります。
なるべく費用を抑えたい場合には、同じ職場の美容師に良い医療機関はないか相談すると良いでしょう。
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- ファーマプロダクト講師(薬剤師国家試験対策予備校)
- 薬局薬剤師・派遣薬剤師
- 美容専門学校講師
- DI(製薬企業のCC担当)
- 美容師国家試験対策YOUTUBE国内最大登録者数を保有
薬剤師の国家試験対策予備校の講師の資格を持つ薬剤師。 現在は美容専門学校の講師を務める。 生徒アンケートでは、全教員中1位で生徒満足度は99.5%という質の高い授業を行い、学校の国家試験対策のリーダーを務める。 現在は自身が開設した美容師の国家試験対策YOUTUBEチャンネルを運営。 美容師国家試験対策チャンネルとしては、国内最大の登録者数。 また、KYOGOKU ACADEMYの学科主任も務める。