サロン運営をする上で、顧客管理は重要となります。情報管理のために使用されていることの多いツールは表計算ソフトのエクセルではないでしょうか。
使いやすく便利なカスタマー管理の方法について検討している方は、この記事でご紹介するツールを参考にしてみてください。それぞれの方法の良い点・悪い点、使いやすいアプリについて説明します。
顧客管理にエクセルを使用する場合の良い点・悪い点
まず、顧客管理に使われることの多い表計算ソフト、エクセルの良い点、悪い点について説明します。
エクセルを使用した顧客管理の良い点
最初からエクセルが搭載されているパソコンを使用するのであれば、初日から初期費用なしで使用することができます。広く知られているソフトウェアなので、使用方法をマスターしている従業員が他の表計算ソフトよりも多く、抵抗感なく使用開始することができます。
また、ウェブ上に無償で提供されている顧客管理のための雛形を使用すれば、難しい表計算の入力方法について知らなくても手軽に使用することができます。サロンに合わせた仕様の変更についての自由度も高いので、店舗運営の現場に則して柔軟に顧客管理の方法を変更できる点もメリットと言えます。
エクセルを使用した顧客管理の悪い点
雛形を用いてシートを作成する場合でも、顧客の情報を入れる時やデータの変更をする時に労力が必要となります。また、雛形を用いないのであれば更に時間や手間がかかり、シートの使いやすさは作った担当者の技術力によって左右されます。
顧客管理にアプリを使用する場合の良い点・悪い点
顧客管理に特化したアプリは顧客情報をまとめて管理してくれて、スムーズな店舗運営に役立つツールです。
アプリを使用した顧客管理のメリット
先程ご紹介したエクセルよりもアプリの方が顧客管理のためだけに作られているものなので、機能性が高く使いやすい仕様になっています。
アプリの機能の一例として、来店頻度や最後に店舗に来た日、男女別などの属性から全てのカスタマーを分類する機能が挙げられます。先月カットにきた男性客のみに、来店促進のための集客戦略を実行したいという時にも、ターゲット一覧を瞬時に出力することができます。
顧客情報の管理だけではなく、顧客からの予約状況を一元管理できる便利な機能も一部のアプリには搭載されています。この機能を使うことで美容師がどのように稼働しているのか可視化することが可能になります。
表計算ソフトでも同様の機能を盛り込んだシートを作ることはできますが、作成には多大な時間と手間が必要となります。アプリであれば顧客管理のみを専門としているので、時間や手間を省いて表計算ソフトよりもクオリティの高い管理ができることが大きなメリットと言えます。
また、アプリであればパソコンだけではなくスマートフォンやタブレットからもカスタマーの情報を確認することができます。従業員が都度、サロンに来てパソコンを開かなくても、他の場所からも顧客の情報や予約の空き具合などを見ることが可能です。
アプリを使用した顧客管理の悪い点
顧客管理アプリは通常、無料で使用することはできません。サロンの大きさ次第ですが、来店者数が少ないサロンの場合は有料のアプリの使用するメリットはあまりないかもしれません。顧客管理に割くことのできる予算から、どのアプリを使用できるかどうか検討しましょう。
また、サロンのオープンに合わせて顧客管理アプリの使用を始めるのであれば問題はありません。ですが、それまで使用していた管理方法から変更して使用を始めるのであれば、来店履歴のあるお客様の情報を再度入力する必要があります。来店者数が多ければ多いほど、使用開始までに時間と手間が必要になります。
更にこれまで使用していないアプリを使用開始するときには、使用方法を従業員に周知しなければなりません。使用方法をマスターするまでは、それまで使用してきた顧客管理の方法の方が使いやすいということもあるでしょう。導入時にはサロン運営に支障がないように細かな気遣いが求められます。
顧客管理のためのアプリ3選
美容室などのサロンで使用しやすい顧客管理に特化したアプリを3つご紹介します。
SALON FACTORY
美容室などのサロンをターゲットとした顧客管理のアプリです。
予約のメニューを内容別に分類することができ、予約の状況も従業員別にカレンダー表示が可能です。メニュー内容についてはメイク、ヘアセット、トリートメントなどのヘアケアといった技術や価格などのメニューの詳細を入力することができます。
また、従業員別やヘアスタイリストやアシスタントなどの区分別にアプリの利用範囲を制限することができます。上層部のみに公開する情報を設定することができるので、機密情報を守ることも可能です。
パソコンで使用するのであれば無償、タブレットで使用するのであれば利用する台数次第で有料となります。(スマートフォンの利用はできません。)
Lime
ヘアスタイリストが企画提案して作られたカスタマー管理のアプリが「Lime(ライム)」です。2019年に同社が調査した結果によると、美容師業界では最も高いシェアを占めているアプリです。パソコンだけではなく、スマートフォンやタブレットで活用できる機能も搭載されています。
顧客のカルテ情報や予約の状況を管理することができます。さらに「レポート機能」では売り上げの総括やオーダーされたメニューの割合を確認することも可能です。「レポート分析」ではヘアスタイリストごとに指名を受けている顧客のオーダーメニューの特徴や年齢や性別などについて知ることができます。分析結果から「ターゲットとすべき客層」や、「そのターゲットに合わせたサービス」といったことを検討することができ、ヘアスタイリストの育成のために活用できます。
サロン側だけではなく、顧客側の予約用アプリも提供しているので、以前オーダーしたヘアスタイルやヘアケアの情報についてシェアすることができます。顧客にアプリをインストールしてもらう手間はかかりますが、このアプリはLINEとの連携が可能なのでアプリをインストールすれば次回の予約はLINEから簡単に取ることができるという利点があります。
顧客管理をする上で重要になるのが、個人情報の保護です。このアプリでは、クラウドのデータ上で個人情報を全て暗号化してくれるので、情報流出の危険を避けることができます。
LiMEは個人営業のスタイリストを対象としたアプリですが、アプリ使用の人数制限を外すことのできる「LiME SALON」であればサロン全体で使用することができます。
coming-soon
紙面上で顧客管理をしていたサロンにおすすめしたいアプリです。紙に書かれた顧客情報を撮影するだけで、顧客データの入力が完了します。また、施術の後の髪型の画像も保存することができます。電子データのカルテを紙面上のカルテに合うように設定する労力や、アプリ導入前までの顧客情報を登録する時間がかかりません。さらに、施術後に撮影した髪型の画像は顧客側の予約用アプリとシェアすることも可能です。次の来店の時のオーダー内容を考えるときの材料にしてもらうことができます。
また、顧客管理だけではなく、サロンの売り上げ状況を管理することのできる売り上げ管理システムの「coming-soon POSライト」が搭載されています。日々の売り上げ伝票を登録するだけで、売り上げ管理シートを簡単に出力することができます。伝票の登録は顧客のメニュー内容を選択するだけです。レジの機能は搭載されていないので、会計の時に都度登録する必要はありません。予約の空いた時間やサロン閉店の後などにまとめて登録することができます。
「カミングメール(オートプッシュ)機能」という顧客ごとの来店タイミングを推測して、プッシュ通知やメールで来店促進をする特許を取得した機能も搭載されています。過去の来店行動から顧客の次に来店されそうな日を推測し、その数日前に来店を促す文章をプッシュ機能やメールで発信することができます。来店間隔が空いてしまうことや他店舗への来店を未然に防ぐことに繋がります。
アプリ使用にかかる費用は従業員数や使用する機能、サポート次第で異なります。使用を開始してから3ヶ月の間であれば使用料金を返金してくれる保証も付いています。
顧客管理の方法はサロンに合わせて選択し、運営に役立てる
顧客管理の方法は様々あるので、サロンの規模や従業員数、来店者数、割ける費用によって選択しましょう。使用料金は必要となりますが、顧客管理アプリは機能性が高く使いやすいのでおすすめです。使用料金に割く予算がないということであれば、エクセルやGoogleスプレッドシードなどの表計算ソフトでも特に問題ありません。それぞれのサロンに合わせて最適な顧客管理の方法を選んで、サロン運営に活用しましょう。
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2021年5月より京極琉のオファーを受諾しThe Diamond Kyogokuにディレクターとして移籍。
海外有力誌の表紙や巻頭特集を飾るなど国際的に活躍。
ヘアスタイリスト界のオスカー:NYのThe IBI Award2020で日本人初となるファイナリスト入りを果たし世界3位を受賞。
世界最大の美容の祭典:ロンドンのALTERNATIVE HAIR SHOW2021に於いて次世代のアーティスト20に選出。ヘアショーに出演。
2022年春夏ミラノコレクションで日本の2つのブランドでヘアメイクディレクターを務めた。
ヘアデザインの芸術的認知を目指して東京から世界に発信を続けている。